[Significance of accumulation of arteriosclerotic risk factors in elderly people: from a study conducted in Tanno-Sobetsz].

1998 
【目的】脳血管疾患と心疾患死亡に対する動脈硬化危険因子集積の関与を前向き疫学調査の成績から解析, 特に性差の影響と中年者と老年者の差異について検討した.【対象・方法】1977年より北海道2町村において継続中の前向き循環器疾患疫学調査では, 初年度に無作為抽出した40~64歳の住民1,996名のコホートを設定. 今回は1995年8月31日までに生命予後調査を終了しえた1,819名 (追跡率91.1%, 男性871名, 女性947名, 初年度平均年齢50.9±7.0歳) を解析の対象とし, 初年度年齢61歳未満の中年者男女と61歳以上の老年者男女の4群に分類. さらに初年度の喫煙, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症 (総コレステロール220mg/dl以上または中性脂肪150mg/dl以上), 肥満(BMI26.4以上) の有無の5項目を各対象で調査, 危険因子を0ないし1個有するリスク少数群 (以下少数群), 2個以上有するリスク多数群 (以下多数群) に2分. 脳血管疾患死ならびに突然死, 心筋梗塞を含めた心臓死を脳心血管死と定義し, この累積生存率を検討した.【成績】危険因子の集積は男性少数群306名, 女性少数群470名, 男性多数群565名, 女性多数群477名. 初年度より1995年8月31日までの死亡者は256名. 男女全体では少数群に比して多数群で生存率が低下し, 男性でその傾向はより顕著であった. また, 男性老年者では多数群で少数群に比し有意に生存率が低値であったが, 男性中年者では少数群と多数群で生存率には差異がなかった. 女性中年者では多数群の生存率が少数群より低値だが, 女性老年者では差異を認めず, 男性とは異なる傾向を示した.【結論】生命予後に対する危険因子集積の影響は男女で異なり, 老年者では男性において危険因子の集積が強く生命予後に関与していると考えられた.
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