language-icon Old Web
English
Sign In

Aspiration pneumonia in the aged

1987 
東京警察病院において過去7年間 (1980~1986年) に嚥下性肺炎と診断された27症例について, 吸引内容, 基礎疾患, 病態, 治療, 予後を分析し, 老年者における嚥下性肺炎の特徴を若年者と対比検討した. 対象例を65歳以上の老年群18例, 65歳未満の若年群9例にわけ, 比較検討した.1. 老年群では胃内容物吸引例が, 若年群に比べ多く認められた. 老年群では胃内容物吸引例が9例と最多であったが, 若年群では食物誤嚥が6例, 胃内容物吸引が3例であった.2. 基礎疾患では, 中枢神経系疾患が多く認められ, 老年群では特に脳血管障害が11例と高率であった.3. 老年群嚥下性肺炎は, 若年群と同様に強い炎症所見を示す傾向を認めた. 老年群の臨床所見として体温38℃以上が14例, 白血球数10,000以上が12例に認められた.4. 起因菌では, 両群ともグラム陰性桿菌が高率に検出された. 菌種としては緑膿菌, 肺炎桿菌, 腸球菌, 黄色ブドウ球菌などが認められた.5. 老年群, 若年群とも死亡率は55.6%と高率であった. 特に胃内容吸引例 (死亡率75.0%), PaO2 60Torr 未満の症例 (死亡率84.6%), 胸部X線上病変範囲の広い症例では, 予後不良であった.6. 早期ステロイド治療を行った6例中5例が死亡し, 早期ステロイド治療の有効性は明らかではなかった.7. 以上より, 加齢, 中枢神経系疾患などの因子が嚥下性肺炎の発症危険因子として重要と考えられた. また, 吸引内容, PaO2レベル, 病変範囲などの因子が予後関連因子として重要と考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    1
    Citations
    NaN
    KQI
    []