誘因なく発症した小児Fournier's gangreneの1例

2011 
Fournier's gangreneは急速に拡大する壊疽性筋膜炎を特徴とし,糖尿病など易感染性の状態や痔瘻など要因を有する場合が多い.今回,基礎疾患,外的誘因なく発症した小児症例を経験したので報告する.症例:8歳男児.38℃の発熱で発症し前医入院となった.3時間ごとにジクロフェナクを要する肛門部痛が急速に進行し,骨盤CTにて肛門周囲膿瘍を指摘され転院となった.痔瘻など肛門周囲皮膚には異常を認めなかった.骨盤CT上,膿瘍に空気像をともない12時間で急速に臀部,陰嚢に拡大したことよりFournier's gangreneと診断し,十分なドレナージ術をおこなった.その後は良好に経過している.結語:Fournier's gangreneは進展速度が速く,早期診断,治療により重篤化を防ぐことが重要である.小児で合併疾患,誘因のない本邦報告例はなく,考察を加えて報告する.
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