Fine needle aspiration cytology of malignant fibrous histiocytome metastatic to the breast.

1996 
乳房内に腫瘤を形成した悪性線維性組織球腫のまれな1例を経験したので, 穿刺吸引細胞所見および組織所見について報告する.症例は54歳, 女性. 1983年に左脛骨に悪性線維性組織球腫が発生し摘出手術を受け, 1987年および1989年, 左右大腿骨および背部皮下に転移巣が発見され, いずれも摘出手術を受けていた. 1991年に左乳房の腫瘤に気づき当院外科を受診した. 触診にて良性と思われたが, マンモグラフィーでは明らかな腫瘤陰影は認められず, エコーグラフィーでは良, 悪性の判定が困難であったため, 腫瘤の穿刺吸引細胞診が施行された. 標本上には, 長楕円形もしくは紡錘形の核を有する線維芽細胞様細胞が多数認められた. 少数であるが, 類円形または分葉状の核を有する組織球様細胞, 連珠状の核を有する多核細胞も認められた. 既往歴を考慮し上記細胞像より悪性線維性組織球腫の乳房内転移と推定され, 確認のために腫瘤の摘出生検が行われた. 組織所見にて悪性線維性組織球腫, 通常型と診断された. 乳房内に転移巣を発見することはまれであり, 原発性乳房内腫瘤との鑑別は治療の選択に重要である. 本症例では, 穿刺吸引細胞診が乳房内の転移巣の診断に有用であった.
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