軽症・中等症の下痢原性溶血性尿毒症症候群におけるγ-グロブリン投与の治療効果の検討

1999 
軽症・中等症の下痢原性溶血性尿毒症症候群 (D+HUS) においてγ-グロブリン投与 (IVIG) が臨床経過・予後に与える影響を明らかにするために,腹膜透析を必要とせず,保存的治療で軽快したD+HUS症例でγ-グロブリン (平均投与量321±123mg/kg/日) を投与したIVIG (+) 群 (平均年齢39.2±16.0カ月,男5名・女4名) と投与しなかったIVIG (-) 群 (平均年齢35.7±18.7カ月,男5名・女4名) とで予後と急性期の検査値の推移とを比較検討した。両群とも全例後遺症なく回復し,白血球・血小板・BUN・Cr・LDHの値も前駆症状発症後約14日で回復した。血小板数の最低値や回復に要した日数にも差は認めなかった。透析療法を必要とせず,保存的治療のみで軽快する軽症・中等症HUSでは,IVIGは臨床経過と予後とに影響を及ぼさなかった。
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