術前放射線化学療法後,薄筋皮弁で会陰再建をした痔瘻癌の1 例
2012
症例は47 歳,男性。24 年前から痔瘻に対する治療を繰り返していた。今回,痔瘻が改善しないため生検を施行したところ痔瘻癌と診断された。腹部骨盤造影CT およびMRI で海綿体への浸潤が疑われたため,術前化学放射線療法(S─1/照射60 Gy)を施行した。これにより腫瘍は縮小したため腹会陰式直腸切断術を施行し,広範囲に及ぶ会陰欠損に対しては薄筋皮弁を用いた会陰再建を行った。海綿体は温存でき,病理組織検査でも切離断端陰性であった。局所進行痔瘻癌に対し,術前放射線化学療法が有効であることが示唆され,広範な会陰欠損に対する再建手技の向上は治癒切除をめざす上での重要な要素になると考えられた。
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