Clinical evaluation of bicarbonate dialysis

1981 
重炭酸透析については, 最近いくつかの報告がなされており, 酢酸透析に比較し不快な症状の少ない透析ができる点で, その有効性が見直されている. 今回我々は, 透析時間を5時間から4時間に短縮し, 透析効果について5時間の酢酸透析と比較し検討を加えた.その結果, pH, HCO-3濃度, B. E. は, 4時間透析にもかかわらず酢酸透析に比較し透析後有意に上昇し, アシドーシスの改善効果が優れていた. 特にpHの改善が顕著で, 透析開始2時間で7,332±0.026から7.403±0.04まで上昇していた.尿素窒素, クレアチニン, 尿酸値は, 透析後有意に低下し, 除去率では, 5時間の酢酸透析と比較し劣らない結果を得た. 特にクレアチニンの除去率は, 酢酸透析の44.1±6.4%に比し, 重炭酸透析では, 52.7±4.4%と有意に高値を示した. また長期的にみた窒素代謝産物の透析前値の上昇, 及び体重の増加はまったく認められなかった. 透析ごとの体重減少量の比較では, 酢酸透析で2.0±0.4kg, 重炭酸透析で23±0.3kgと両者間に有意の差をみなかった. Ca濃度については, 透析後有意に上昇し, 低Ca血症は改善されていた.以上の所見より, 重炭酸透析では, 酸-塩基平衡の改善が効率よくしかも迅速であり, 透析中の不快な症状が少ないばかりでなく, 透析終了時まで十分な血液流量, 及び適正な限外濾過圧を維持することができ, 今後大面積-短時間透析において非常に有利であると判断した.
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