(7) SCU/ICUにおける脳卒中クリニカルパスの実例と効果
2010
2005 年10 月に超急性期脳梗塞患者に対するt-PA 静注療法が承認され,脳卒中診療は適確で迅速な診断に基づいた緊迫感のある治療へと変貌した1 〜 3).本剤使用の適応となるのは,脳梗塞患者のごく一部であり,適応を誤ると出血性合併症を発現する危険性が高まることが知られている.したがって,本剤は十分な設備,体制の整った施設において,適応・禁忌などを熟知し,また,十分な経験を持つ医師の下で,しかも厳格にプロトコールを遵守した状態で使用されなければならない. 超急性期脳梗塞患者に対するt-PA 静注療法の適応は,厳密に3 時間以内に治療開始可能な患者に限られている.来院からt-PA 投与までには60 分程度の時間を要するため,患者情報として発症から3 時間以内(特に2 時間以内)に救急搬送の連絡が入った場合には,t-PA 静注療法の緊急応需体制をとるようにしている.本稿では実際に経験した症例を紹介しながら,当センターでのt-PA 静注療法の体制やt-PA治療後の管理について説明する.
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