S-1 治療抵抗性切除不能進行胃癌に対してWeekly Paclitaxel によるSecond-Line Chemotherapy が著効した症例

2010 
症例は62 歳,女性。胃噴門部の2 型腫瘍で傍大動脈リンパ節腫大,腹腔内リンパ節腫大による十二指腸への直接浸潤,総胆管・胆嚢の圧排を伴う切除不能の進行胃癌に対しCDDP+S-1 療法を2 サイクル施行しPR であったが,3 サイクル目で腫瘍が増大。閉塞性黄疸の進行,腹水増加を認めPDと判断し中止した。second-line chemotherapy としてpaclitaxel(PTX)のweekly 投与を開始した。4 サイクル終了時にはCT 上,腫大していたリンパ節消失・腹水消失・胆嚢の緊満改善を認め,6サイクル終了時には上部消化管内視鏡検査にて,腫瘍消失・十二指腸圧排消失した。生検上,腫瘍の遺残を認めなかった。13サイクルまで続け腹腔内のコントロールは良好であったが,ろれつが回らなくなるなどの神経症状が出現したため,頭部MRI検査を施行したところ右側頭葉から頭頂葉にかけて正中構造の左方への偏位を伴う単発腫瘍を認めた。他院へ転院となり手術となった。組織学的に胃癌の脳転移の診断であった。退院後神経症状は残ったが,局所のうち腹腔内のコントロールは良好であったため,術後14 サイクル目より本療法を再開し引き続き計30 サイクル施行することができた。血液毒性として開始直後にgrade 3 の好中球減少を認めたが,それ以外で重篤な有害事象を認めなかった。本療法はS-1 治療抵抗性であった切除不能進行胃癌に対するsecond-line chemotherapy として有用と考えられた。
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []