地政学の(再)流⾏現象とロシアのネオ・ユーラシア主義

2019 
近年、世界各地域で地政学の流⾏現象が起こっている。かつて戦間期にドイツや日本の対外侵攻を支えたという歴史的事実ゆえに長らく忌避されてきた地政学が、再び流⾏するということは、どのような意味を持つのか。本稿は、そもそも地政学とはどのような学問であるのかを簡潔に整理した上で、主にロシアの事例を中心に、地域の文脈からこの現象の意味を検討する。特に、ソ連邦解体後のロシアで、地政学的な議論をリードしてきたネオ・ユーラシア主義と呼ばれる思想に注目し、その中で、地政学ないし地政学的な発想や概念がいかなる意味で使われてきたのか、「地政学的なるもの」がどのように利用されているのかを検証し、中国やブラジルの例も参照しながら、この現象の背後にあるものを探る。
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