NCPSS(non-cirrhotic porto-systemic shunt)に伴う猪瀬型肝性脳症に対し外科的短絡路閉鎖術を行い著効した2症例

2009 
手術的に短絡路閉鎖を行い,門脈大循環短絡症による猪瀬型肝性脳症の改善を認めた症例を経験したので報告する. 患者1, 71歳男性,明らかな肝障害の既往はない.絞扼性イレウス,汎発性腹膜炎を発症し手術を施行したが,術後より繰り返す肝性脳症が出現した.CTにて巨大な脾腎短絡路を認めたため,開胸,開腹下に脾腎短絡路閉鎖術を行った. 患者2, 79歳男性,C型肝炎の既往がある.CTにて上腸間膜静脈と下大静脈間に巨大な短絡路を認め,短絡路閉鎖,摘出術を行った.術後に門脈血栓,上腸間膜静脈血栓症を発症したが,抗凝固療法により血栓は完全に消失した. 患者は二名とも術後肝性脳症の発症はなかった.猪瀬型肝性脳症の治療に短絡路閉鎖術は有効な治療法であるが門脈血栓に対しては注意を要する.
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