IgA 腎症診療ガイドライン2014――その特色

2015 
◎ IgA 腎症は,わが国においてもっとも高頻度な腎炎であり,末期腎不全に陥る代表的疾患のひとつである.1995 年に,厚生労働省特定疾患進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会の合同委員会により,はじめて「IgA 腎症診療指針」が公表され,2002 年には「IgA 腎症診療指針第2 版」が,さらに2011 年には「IgA腎症診療指針第3 版」が提示された.これらの診療指針は臨床や病理診断の場で広く活用され,わが国におけるIgA 腎症の診断・治療に大きく貢献してきた.2011 年にKidney Disease Improving Global Outcomes(KDIGO)より,臨床試験の体系的なレビューによる推奨レベルが示された,糸球体腎炎のためのKDIGO 診療ガイドラインが発表された.しかし日本の実臨床において,KDIGO 診療ガイドラインがそのまま当てはまるかは慎重な判断を要した.そこで,日本の実臨床により使用しやすいエビデンスに基づくガイドラインとして,厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会は「エビデンスに基づくIgA 腎症診療ガイドライン2014」を作成した.本稿ではその特色を解説し,KDIGO 診療ガイドラインとの違いについても言及する.
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