A CASE OF CUSHING SYNDROME SECONDARY TO ADRENOCORTICAL ADENOMA ASSOCIATED WITH SITUS INVERSUS TOTALIS
2004
症例は39歳の男性.高血圧,中心性肥満を主訴に当院内科を受診した.満月様顔貌および下腹部に皮膚線条がみられた.腹部CTでは,内臓逆位および右副腎腫瘍を認めた.血中cortisolの日内変動は消失,常時高値を示し,デキサメサゾン抑制試験でも抑制はみられなかった. ACTHは5pg/ml以下と低値を示した.尿中17-KSは正常範囲内であったが17-OHCSは高値を示した. 131Iアドステロールによる副腎シンチグラフィーでは右副腎に一致したhot noduleが認められた.以上より内臓逆位を伴った,右副腎腫瘍によるCushing症候群の診断で右副腎摘出術を施行した.摘出した標本は40×30mm,重量45gであり,割面は黄褐色ほぼ均一であった.病理組織診断は副腎皮質由来の淡明細胞と充実細胞が混在して増生するadrenocortical adenomaであった.全内臓逆位に伴ったCushing症候群は非常に稀で,検索しうる範囲内で邦文,英文報告例ともにみられなかった.
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