当科で経験した先天性嚢胞性肺疾患 (CCAM, 肺分画症) の手術適応, 手術時期についての検討

2008 
当施設で治療を行った先天性嚢胞性肺疾患のうち先天性嚢胞状腺腫様形成異常 (Congenital cystic adenomatoid malformation, CCAM) 17例および肺分画症13例を後方視的に検討し, その手術適応, 手術時期について検討した。CCAMの診断時期は胎児診断を含む新生児期が6例, 1歳までが3例, 1歳以降が8例であり, 分画症の診断時期はそれぞれ3例, 3例, 7例であった。CCAMおよび肺分画症における診断から手術までの時間および手術時年齢の中央値はそれぞれ0.2年 (13日~3.9年), 0.5年 (14日~5.8年) および1.2歳 (13日~13.9歳), 2.3歳 (16日~9.8歳) であった。CCAMの3例, 肺分画症の4例 (先天性横隔膜ヘルニア (CDH) 1例, CDH術後横隔膜弛緩症1例含む) に術前の呼吸障害が認められた。術前の肺炎はCCAMおよび肺分画症の9例ずつに認められ, CCAMおよび肺分画症ともに10カ月時発症が最低齢であった。術後肺炎に対する入院治療をCCAMの1例 (術後3年) および分画症の1例 (多発性翼状片症候群合併) に要した。呼吸障害を認めるCCAMおよび肺分画症に対しては速やかに手術 (肺葉切除あるいは分画肺切除) を行う必要がある。呼吸障害を認めない症例においても術前の肺炎, 膿瘍形成を避け, 正常肺の発育を促すために可及的早期 (生後10カ月頃まで) に手術を行うことが望ましいと思われた。
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