Antithrombotic effects of low molecular weight heparin (FR-860) in rabbits.

1989 
低分子量 heparin(FR-860)の抗血栓作用を家兎動静脈シャントモデルおよび in vitro の系にて通常 heparin と比較した.動静脈シャントモデルにおいて血流開始30分後の血栓重量は FR-860(12.5~50 U/kg)投与により用量依存的に抑制された.また,通常 heparin 投与でもほぼ同等の抑制が認められた.血流開始5分後の抗ファクター Xa(F.Xa)活性も,FR-860 および通常 heparin は共にほぼ同等の値を示し,血栓重量との間に有意な負の相関が認められた.一方,FR-860 は通常 heparin に比較して活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT),プロトロンビン時間(PT)およびトロンビン時間の延長作用は弱かった.同様に,in vitro においても FR-860 は通常 heparin とほぼ同等の抗 F.Xa 活性を示したが,カルシウム再加時間,aPTT,PTの延長作用および抗トロンビン活性は通常 heparin に比し軽度であった.また,ex vivo において FR-860 および通常 heparin は血小板凝集に影響を及ぼさなかった.FR-860 は通常 heparin とほぼ同等の抗 F.Xa 活性に依存した抗血栓作用を有し,出血因子である抗トロンビン活性が弱いことにより,安全かつ有効な抗血栓薬と考えられる.
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