Biochemical Studies on Enriched Barley (III)

1967 
ウサギを実験動物として, 強化精麦を健康群および四塩化炭素中毒, 高コレステロール血, 飢餓などの実験的不健康群に与えて飼養し, 血液成分に及ぼす影響を精白米投与のものとあわせ比較検討した。1. 強化精麦食群は精白米食群に比較していずれの実験区分でも血液ピルビン酸, 乳酸, アセトンが低値であった。2. 強化精麦食群は高コレステロール血症群において精白米食群より血清総脂質, リン脂質が低値であり, 他の実験区分では高値であった。3. 強化精麦食群は飢餓試験で血清アルカリ性フォスファターゼ, トランスアミナーゼ活性値が高く, 他の実験区分では精白米よりも低値であった。以上を総括して強化精麦食は血液中の酸性物質の増加が少なく, 血清アルカリ性フォスファターゼ活性作用も関与して血清電解質の改善的な変動により, 血清無機リンの減少と透析性カルシウムの増加がありアルカリ性体質にすること, さらには円滑な脂質代謝の進行により血清総コレステロールの減少がみられる。これらのことから強化精麦は主食としての価値が高く, 今後米麦混食の食生活に寄与するものと信ずる。
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