Prospective observational study of sevelamer hydrochloride and lanthanum carbonate-Effect of sevelamer hydrochloride on the acid-base equilibrium of patients on hemodialysis with citric acid dialysate

2010 
血液透析患者の代謝性アシドーシス状態の持続は入院頻度の増加や生命予後の悪化につながり,骨代謝に対して悪影響を与えることも報告されている.今回われわれは,重炭酸を多く含むクエン酸透析液(カーボスター®)を使用した血液透析時に,リン(P)吸着剤の塩酸セベラマー:SHと炭酸ランタン:LCを用いた前向き観察研究を行い,両P吸着剤が血液透析患者の酸塩基平衡に及ぼす影響について検討した.方法:食事療法にもかかわらずSHを多く(≧5,250 mg/日)内服する患者40名を20名ずつランダムにSH群とLC群の2群に分けた.それぞれのP吸着剤を5週間内服し,その後両群ともSHを4週間内服した.結果:両群ともベースラインにおいてクエン酸透析液の使用にもかかわらず強い代謝性アシドーシス(HCO3-≦20 mEq/L)を認めたが,研究開始とともにLC群は経時的にHCO3濃度の上昇傾向を認め5週間にわたり,2群間の有意差を認めた(LC群:4週後透析前HCO3濃度22.3±2.5 mEq/L,5週後HCO3濃度23.0±2.0 mEq/L).しかし6週以降LCからSHに内服を変更することにより,第7週にはベースラインの代謝性アシドーシスレベルにまで速やかに低下した.第5週において,6,588±971 mgのSHを内服していたLC群が1,500±730 mgのLCを内服しており,約4倍(SH:6,500 mg≒LC:1,500 mg)のP低下作用を認めた.考察:高P血症治療時にはSHによる代謝性アシドーシス増大を念頭に置き,P吸着剤を適切に選択することが必要であると考える.
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