低用量CDDP+CPT-11を用いた外来化学療法が奏効した高度進行・再発胃癌症例—ことに分化型癌症例における効果について—

2008 
はじめに:分化型胃癌進行・再発症例に対し,副作用の軽減,長期生存をめざして,低用量CDDP とCPT-11 療法を行い,その効果について検討した。対象:分化型胃癌進行・再発症例7 例を対象とした。内訳は,初発進行胃癌非切除症例1例,手術後再発胃癌6 例であり(進行度 Ib: 1 例,II: 3 例,IIIb: 1 例,IV: 1 例),全例男性,平均年齢は,64.8 歳(52〜76 歳)であった。評価病変(重複あり)は,原発巣1 例,腹腔内リンパ節4 例,肝転移3 例,肺転移1 例であり,first-lineとして投与した症例は2 例,second-line 以降の症例は5 例であった。方法: CPT-11 65 mg/m2を1 時間で点滴静注後,低用量CDDP 20 mg/bodyを30 分で点滴静注し,2 週ごとに繰り返すことをめざした。初回投与は入院管理下に行い,副作用の程度により投与量を調整した。結果: 全7 例中,CR 1 例,PR 2 例で,奏効率は43%であった。first-lineとして投与した2 症例は,ともにPR と奏効を得たが,second-line以降の5 例では,CR 1 例,SD 3 例,PD 1 例と奏効例は1 例にとどまった。また,second-line 以降の5 症例の先行療法の期間はCR 1 例が2 か月であったのに対し,SD,PD 4 症例は5〜10 か月であった。したがってPR およびCR 症例では,本療法がfirst-lineないし比較的早い時期に導入される傾向にあった。副作用は,悪心・嘔吐,骨髄抑制が主で,各々4 例,5 例であった。1例で,初回投与時grade 3 の骨髄抑制が出現したため,2 回目投与以後減量した。他症例では,副作用はすべてgrade 1〜2 であった。結語: 1. 7 例中CR 1例,PR 2 例の奏効を得た。また,PD 1 例を除く6 例で10〜23 回の外来投与が可能であった。その間,重篤な副作用もなく全例で外来療法に移行でき,患者のQOL 向上に寄与したものと考えられた。 2.有効症例は,いずれも比較的早い時期に本療法が導入される傾向にあった。したがって先行療法が無効であった症例では,プロトコールの切り替えを早めに適切に検討することが必要と考えられた。
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