A CLINICOPATHOLOGICAL STUDY OF THE LESIONS OF VOCAL FOLDS SUSPECTED OF CARCINOMA

1995 
東京大学病院で, 20年間に治療を受けた, 癌が疑われた声帯病変221例に対し, 臨床病理学的に検討した。この研究の主たる目的はdysplasiaの程度と粘膜病変の潜在的悪性度の相関関係を明らかにすることであった。結果は以下のように要約された。1. 患者は88.2%が男性であり, 50歳代に多かった。2. 221症例中79例 (35.7%) にdysplasiaが認められた。3. dysplasiaの程度と病変部の肉眼所見の間には, 明らかな関係は認められなかった。4. 初回検査上dysplasiaがなかった症例では3.4%が再発し, 0.7%が癌化したのに対し, dysplasiaの存在している症例では21.2%が再発し, 9.1%に癌の発生を認めた。異型度が強まるにつれて, 粘膜上皮の再発率および癌化率が高まった。5. 初回検査にてdysplasiaがない症例でも, 再発しやすい症例では癌が発生することがある。6. dysplasiaが存在したり, 再発を繰り返す粘膜病変には, 特別の関心を払わなければならない。このような症例に対しては, 長期にわたる経過観察と, 喉頭顕微鏡下の生検およびレーザー手術が必要である。
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