後天性多発嚢胞腎 (ACDK) におけるInsulin-like growth factor-Iの免疫組織化学的検討

1993 
後天性多発嚢胞腎 (ACDK) は長期透析患者における注意すべき合併症の一つであるが, その発症病因については不明である. 我々は, ACDKに合併した腎癌の一例につき, Insulin-like growth factor-I (IGF-I) の腎内発現の有無をavidin-biotin peroxidase法 (ABC法) による酵素抗体法にて検討した.IGF-Iは嚢胞内壁を覆う立方上皮に極めて強い染色性を示した. また, 残存する遠位尿細管, 集合管上皮にも染色性を認めたが, 間質, 血管にはIGF-Iは認められなかった. IGF-Iはautocrineまたはparacrineに腎局所で作用する成長因子の一つであり, これらの結果は嚢胞の肥大・増殖, 腎癌の発症にIGF-Iが関与する可能性があることを示唆している.
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