Minimally Invasive Esophagectomy: An Overview

2012 
食道癌に対する低侵襲手術とは胸腔鏡と腹腔鏡を用いた手術であり, 鏡視下手術とほぼ同義に用いられている。導入後, 約20年が経過したが, どのように発展してきたか, また現時点での評価はどのようなものであるかについて概観した。胸壁破壊をなくすことによって, 呼吸器合併症が減少することは, 経裂孔的食道切除術と開胸開腹手術との比較で明らかとなったが, 経裂孔的切除は長期成績の点で劣った。胸腔鏡によって胸壁破壊を最小にし, 根治性も確保しようとした。同時期, 上縦隔操作を縦隔鏡で行う試みも行われた。これらの成績は当初, 欧米から下部食道腺癌に対する成績として発信された。扁平上皮癌が大部分を占めるわが国においては, 上縦隔の徹底郭清によって再発が減少し予後が改善してきた背景があり, 胸腔鏡によって開胸手術と同様の郭清を行うことができるかが問題であった。最近のメタ・アナリシスによれば, 鏡視下手術は出血量, 呼吸器合併症が少なく, 長期成績は差がないという結果である。現在, 手術体位として側臥位が良いか腹臥位が良いかが議論されている。今後, ロボットをいかに活用するか, 人工気胸法の麻酔管理, 湿潤環境における手術がもたらす利点について, などが検討課題である。
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