[A case of Cronkhite-Canada syndrome with improvement of hypoproteinemia following gastroileocolectomy].

1984 
胃・小腸・結腸切除術により,低蛋白血症,全身症状の改善したCronkhite-Canada症候群の1例を報告した.症例は52才女性で昭和53年12月,貧血と胃ポリポーシスのため精査入院.皮膚色素沈着,爪甲萎縮,十二指腸・回盲部・結腸のポリポーシスを発見されて一旦退院するも,昭和54年3月泥状便,下肢の浮腫あり,再入院.低蛋白血症がすすみ, 7月には両側胸水・腹水が貯留した.その時血中蛋白は3.2g/dl, K値2.8mEq/l,血中ガストリン504pg/ml, 131I-PVPテストは4.5%.胃・大腸X線では増悪を示した.名種対症療法には抵抗を示し,蛋白製剤の補充でのみ軽快した.合併症も輸血後肝炎,左大腿静脈血栓症などをみた.昭和55年に入り症状は悪化しやむを得ず4月半胃切除術,小腸・右半結腸除術を行なつたところ,高ガストリン血症は正常化し, 1カ月後より全く蛋白製剤を投与せずに血中蛋白も6.7g/dlと上昇維持できて退院した.肝障害を残したが3年後の現在,下痢はなく爪甲,皮膚色素沈着も殆ど正常に復し,検査データも正常化した.ただし残胃,十二指腸,大腸に軽度多発性ポリープの所見を残している. Cronkhite-Canada症候群の病態を蛋白喪失性胃腸症と把握し,極力内科的治療を試みるべきであるが,奏効しない場合は漏出面積の縮小を目的に胃切除術,結腸切除術が望ましいと思われた.文献的にはステロイド薬の投与が奏効しており蛋白製剤と共に一度は試みるべきであると思われた.胃腸切除の奏効例は少なく,まだ積極的には勧められない.
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