異時性の肝転移・腎盂転移に対し,肝切除と腎尿管切除術を施行した膵管内乳頭粘液性腫瘍由来粘液癌の1例

2011 
膵粘液癌の画像学的特徴や再発様式はまだ十分に解明されていない.今回,我々は術後2年5か月間に肝と腎盂尿管に転移したintraductal papillary mucinous neoplasms(以下,IPMNと略記)由来粘液癌の切除例を経験したので,報告する.症例は69歳の男性で,増大傾向を有する膵頭部分枝型IPMNとして膵頭十二指腸切除が施行された.病理所見で浸潤部に乳頭状管状腺癌から粘液癌への移行像が認められた.初回手術8か月後に単発性肝転移に対し肝左葉切除,肝切除1年9か月後に腎盂尿管転移に対し右腎尿管切除が施行された.腎盂尿管転移巣は明らかな腫瘤を形成せず,造影されない単純な壁肥厚として認識されたため,腎盂拡張が指摘されてから切除までに5か月を要した.組織学的に肝,腎盂尿管いずれも粘液癌の転移であった.粘液癌の画像学的特徴を理解したうえで,積極的に外科治療を行うことは有用であると思われた.
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