Determination of Tin in Iron and Steel by Differential Pulse Anodic Stripping Voltammetry at a Rotating Gold Film Electrode.

2001 
スズは鋼の機械的性質等に影響を及ぼすため,その含有率を正確に定量する必要があるが,微量域のスズを高い精度と感度で定量できる化学分析法はない.本研究では,アノードストリッピングボルタンメトリーを応用し,鉄マトリックス共存下で簡便迅速にスズが定量できる酸分解直接分析法を開発した.スズ(IV)の還元電着には多量の臭化物の共存が必要であり,鉄(III)の妨害はL(+)-アスコルビン酸で鉄(II)へ還元することにより除去できた.2 mol dm−3臭化ナトリウムと0.2 mol dm−3L(+)-アスコルビン酸を含む0.3 mol dm−3塩酸–0.1 mol dm−3硝酸中,−0.5 V vs. Ag/AgClで300秒間前電解して回転金膜電極上にスズを電着後,40 mV s−1の速度で示差パルスモードにより電位を0 V vs. Ag/AgClまで走査して析出物を溶出させた.1000 μg cm−3鉄(II)存在下,スズ(IV)濃度8.4 × 10−9–3.4 × 10−7 mol dm−3の範囲で原点を通る直線の検量線が得られた.20 ng cm−3スズ(IV)での相対標準偏差(n = 5)および検出限界(3σ)は,それぞれ4.3%,2.8 × 10−9 mol dm−3であった.カドミウム(II)と銅(II)は定量に妨害した.鉄鋼中120–400 μg g−1のスズを高い精度と正確さで,50分以内に定量できた.本法は,市中スクラップ鉄中1 μg−1以上のスズの定量に適用可能であり,予備濃縮操作を必要とする現行JIS化学分析法に比べて定量下限が1けた以上低下した.
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