強めの縫縮 DeVega 法による三尖弁弁輪縫縮術の遠隔期成績

1996 
1985年から1993年までに二次性三尖弁閉鎖不全症 (TR) に対し122例の強めの DeVega 法 (縫縮径25~27mm) による三尖弁弁輪縫縮術 (TAP) を経験した. このうち5年を経過した50例について術後のTR残存を心臓超音波検査を中心に検討した. TR有意 (2度以上) 残存率は術後1年で6%, 術後5年以降も12%であった. 術後遠隔期における安静時三尖弁位 peak velocity は0.53~1.04m/sで平均0.72m/s, pressure half time は平均76.7msecであった. 以上より, 強めの DeVega 法によるTAPは術後遠隔期においてもTR残存率は高くなく, TSの発生がない点で二次性TRに有効であることが示唆された. 一方, 当方法による術後のTR残存の原因として, 手術操作の不確実さや遠隔期における縫合糸の弁輪組織からの離脱が考えられるとともに, 適応そのものが問題となり今後の検討が必要と考えられた.
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