全身状態不良(PS 3)大腸癌多発肝転移に対して肝動注+CPT-11 療法が著効した1 症例

2007 
肝動注療法は,全身状態不良の症例に対しても行える局所化学療法の一つである。全身状態が不良であったが,肝動注にてPS 1 となり,その後CPT-11 による全身化学療法の併用が著効した1 例を経験したので報告する。症例は59 歳,男性。2006年4 月初旬に当院を受診。RS に全周性の大腸癌およびCT にて多発肝転移を認め,原発巣切除後全身化学療法の方針としたが,術後患者が化学療法を拒否。代替療法を受けた後,8 月末全身倦怠感を自覚し受診。CT にて肝転移巣の増大が著しく,肺転移,腹水もあり。PS 3 であり全身化学療法不可と判断し,肝動注療法を選択。3 回終了後,全身状態が改善したためCPT-11 の全身投与も併用。その後PR となり,12 か月を経てもPR を維持している。肝転移によりPS が悪化した症例に対して,まず肝動注にて全身状態を好転させることにより,全身化学療法を可能とさせることができると考えられた。
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