Thrombosis of the Left Femoral Vein in a Patient with Ulcerative Colitis

1987 
左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎の緩解期に左大腿静脈血栓症を併発した1症例を経験した.本例は32歳の男性で左下肢腫脹が出現して,静脈造影で左大腿静脈部の陰影欠損,閉塞および血栓の存在が証明された。この際,血小板数は31.8万でやや多く,血小板粘着能の亢進,血小板凝集能の高値等がみられた。血液凝固能亢進状態が血栓形成の一因となっていることが示唆された。左下肢腫張は保存的治療で徐々に消失した。潰瘍性大腸炎に伴った動静脈血栓,塞栓症はBargen(1936年)の報告が初めてとされている。本邦では北村(1978年)らの発表以来6例で,いずれも重症に伴う血栓症である。本例は緩解期に発生したもので,潰瘍性大腸炎にしばしばみられる血液凝固能の亢進がその発生と関連性があったと考えられる。
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