The Effects of Various Kinds of MimosineReduced Leucaena Meal on Rats

1988 
ギンネムを飼料資源として効率的に利用するための基礎的知見を得るためにミモシン含量の異なった各種のギンネムミールを調製し,ラットに給与した際の増体量,飼料摂取量,体毛の発育,性周期,組織形態,血液および組織中のミモシン含量について検討を行なった.実験には6週齢のウィスター系雌雄ラットを用い,カゼイン15%配合の飼料を給与したラットのグループを対照群として,ギンネムの20%凍結乾燥ミール飼料給与群(FDM群),20%加熱乾燥ミール飼料給与群(ADM群),20%および30%サイレージ乾燥ミール飼料給与群(SDM群),さらに20%アルファルファミール飼料給与群(AM群)の6群に分け60日間飼育した.得られた結果は次のとおりである.1) 増体量と飼料摂取量:増体量は,対照群と比較して雄ではすべての試験群に,雌ではFDM群,ADM群および30%SDM群に有意差が認められた.また,飼料摂取量は,雌雄いずれもAM群が最も高い値を示した.ギンネムミール群のうちでは,SDM群が対照群とほぼ同じ値を示したが,FDM群では有意に低い値を示し,ミモシンの毒性による影響が考えられた.2) 体毛の発育と性周期:ギンネムミール群では,ミモシン摂取量に伴って体毛の発育低下と脱毛が著しくなり,性周期の乱れが観察されたが,20%SDM群ではこれらの症状は全く認められなかった.3) 組織形態:ギンネムミール群では,ミモシン摂取量の増加に伴って諸臓器の障害が著しくなり,肝臓,腎臓および皮膚の変性像や卵巣,精巣および甲状腺の機能障害が認められたが,20%SDM群ではこれらの異状は全く観察されなかった.4) 血液および組織中のミモシン含量:血漿中のミモシンは,ミモシン摂取量の増加に伴って高い値を示したが,DHP含量には一定の傾向は認められなかった.肝臓,腎臓および筋肉中のミモシンおよびDHP両成分は,今回の方法では測定されなかった.以上の結果,ギンネムのサイレージ乾燥ミールは,ミモシン含量が著しく減少しており,飼料中20%まで配合してもラットの発育,飼料摂取量および各種の病的症状の発現には影響がみられず,ギンネムの飼料的利用法として有効な方法であると考えられた.
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