肝動脈塞栓材・多孔性ゼラチン粒(ジェルパート)のマイクロカテーテル通過前後の粒子径と断片化に関する検討

2009 
多孔性ゼラチン粒(ジェルパート)(GP)を用いた肝動脈塞栓術後の肝膿瘍の発生が最近問題視されており,一つの要因としてGP の粒子径のばらつきや微細断片の混在が考え得る。本研究ではマイクロカテーテル通過前後のGP の粒度分布および断片の頻度について検討した。3 名のIVR 専門医が3 種類の内径の異なるマイクロカテーテルにGP 1 mm 粒および2 mm 粒を注入し,通過前後の粒子をメチレンブルーで染色しデジタルマイクロスコープを用いて粒子2 方向径を測定した。長径にて1 mm 粒300 μm 未満,2 mm 粒600 μm 未満を各々断片とした。GP の粒子径は断片と非断片粒子による幅広い2 峰性分布を示した。平均粒子径は長径・短径とも10%以内の変化にとどまり,短径/長径比もおおむね0.75 前後で一定した。通過前の断片頻度は,1 mm粒で約10%,2 mm粒で約5%であったが,通過後は1 mm粒で約1〜2 倍,2 mm粒で約2〜5 倍の断片増加を認めた。1 mm 粒,2 mm 粒とも粒子径にばらつきを認め,断片が混在した。マイクロカテーテル通過前後で粒子径および形状に大きな変化はないが,特に2 mm粒で通過後に著しい断片増加を認めた。
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