高度石灰化病変・ステント留置病変に対する冠動脈CTの適応と将来性―冠動脈のサブトラクションCTを含めて
2014
高度石灰化による狭窄性病変の評価不能や診断精度の低下は,冠動脈CT の最大の問題のひとつである.この場合の高度石灰化とは石灰化スコアで400 超とされている.ところが,男性で50 歳以上,女性で60 歳以上の冠動脈に有意狭窄を有する症例の多くは石灰化スコア400 を超えており,高度石灰化の問題は,診断精度のみならず冠動脈CT の適応に与える影響も大きい.その解決策のひとつとして,320 列CT を用いたサブトラクションCT が試みられている.サブトラクションCT とは,造影CT から単純CT を引き算することで石灰化を除去する方法である.サブトラクションCT では2 回の撮影を行うため被曝の増加が大きな問題であったが,最近登場した逐次近似再構成法によってこの問題の解決にはめどがついた.一方,最新の研究ではサブトラクションCT によって評価不能の割合は大幅に減ったが,診断精度の向上には改善の余地があることが判明した.このように,本法は実用化までには課題を残しているものの,今後有望な方法のひとつになると思われる.
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