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L-アラニン醗酵(第1報)

1960 
(1) アラニン醗酵研究の材料として,新らしく分離されたNo. 483株を選んだ.本株はグラム陰性,運動性を有する短桿菌であり,胞子の生成は認められず,培養液中に著量のアラニンを生産し,副成アミノ酸の少ない事が特徴である. (2) 本菌はグルコース10%,硫安2%,ペプトン0.2%,酵母エキス0.5%, K2HPO4 0.1%, MgSO4・7H2O 0.03%及びCaCO3 2.0%を含む培地中で17.5mg/mlのアラニンを蓄積した. (3) 上述の培地で,培養経過中に尿素又は硫安の単独添加を行ったが,アラニン生成量の増加は認められなかった. (4) アラニン生成の前駆物質と見られるピルビン酸を単独又は窒素源と共に添加することにより,アラニン生成量の増加が認められた. (5) 乳酸アンモニウムの添加は,著るしくアラニンの生成量を増加させた.この際アラニンの生成量は35mg/mlに達した.又この現象は乳酸アンモニウム添加後,振盪並びに静置培養に拘らず略々同一結果を得ることから,本歯にはアラニン脱水素酵素と乳酸脱水素酵素との共範反応の存在が考えられる. (6) 本菌は何等かの栄養要求株であり,特に酵母エキス中の或る種成分が菌の生育並びにアラニンの生産に不可欠のものであることが判った. (7) 本菌の生産するアラニンは単離,精製の結果L-アラニンであることが判明した.
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