重症急性膵炎(SAP)に対するbiapenem(BIPM),nafamostat mesilate(NM)動注療法の試み

2008 
近年,重症急性膵炎(SAP)に対する蛋白分解酵素阻害薬·抗菌薬持続動注療法(以下,動注療法)の有効性を示す報告が散見される.広域抗菌スペクトルを有するimipenem/cilastatin(IPM/CS)が,動注療法の抗菌薬として繁用されている.しかしnafamostat mesilate(NM)との配合変化が問題となる.一方,biapenem(BIPM)は他のカルバペネム系抗菌薬に比べ,物理化学的安定性に優れている.我々は,BIPMとNMによる動注療法を行なったSAP 6例を経験した.生存率は83.3%であった.6例中1例のみが膵膿瘍を合併した.また1例は膵感染と関係のないMRSA腸炎による敗血症のため死亡した.SAPに対するBIPMによる動注療法はカテーテル管理の簡便化が図れ,IPM/CSと同等の治療成績が期待される.
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