Problems in the initial stage of dialysis in elderly patients.

1992 
高齢者における透析導入時の問題点について, 1981年より1990年までの10年間に, 血液透析へ導入された男性47例, 女性40例の計87例を対象に検討した. 全例70歳以上で, 平均年齢は76.3歳であった. 原疾患の内訳は腎硬化症44例, 慢性腎炎19例, 糖尿病12例, 嚢胞腎4例, 腎盂腎炎4例, その他4例であった. 臨床症状が出現する以前の早期に透析へ導入された症例は8例のみであった. 他の例では高窒素血症, 乏尿, 心不全, 高カリウム血症, アシドーシス, 全身浮腫, 食思不振などのため透析へ導入されていた. 導入後1か月で26例が死亡し, 透析継続は58例, 中止3例であった. しかしながら1年後には計56例が死亡した. 導入後1か月内に死亡した例では, 低血圧, 乏尿, 血液尿素窒素の高値, アシドーシスなどの特徴が見られ, かつ多臓器障害や感染症, 凝固障害などを有した例が多かった. しかしながら, 障害臓器を有していない例では, 30例中1例のみの死亡であった.これらの成績より, 高齢者においては, 障害臓器が出現する以前の早期に透析へ導入することが, 予後の上で重要であると考えられた.
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