Treatment of Vascular Graft Infection after Operation for Thoracic Aortic Aneurysms.

2000 
われわれの経験した胸部大動脈瘤手術224例のうち, 胸骨ないし縦隔から排膿した13例に, 創部に感染所見なく術後血中から細菌が検出された1例を含めて14例を人工血管感染例として取り上げ検討した. 10例で胸骨ないし縦隔から, 6例で血中から, 細菌が検出された. 14例中13例に対し病変の深達度が浅ければ感染部位の除去を, 深ければ, それに持続洗浄を, また最近では, さらに大網充填を組み合わせる方針で再手術を施行した. 4例が在院死亡となった. 死亡例はすべて血中から細菌が検出されていた. 結局感染が制御され, 退院できたのは10例であった. 本深在性創部感染は, すでに人工血管に感染しているか, その危険性が高度と考えられ, われわれは早急に再手術を施行してきたが, 3例が死亡したことは本合併症の重篤なことを示している. またとくに血中に細菌が認められると非常に危険といえよう.
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