【自己免疫】 関節リウマチにおける制御性T 細胞
2019
関節リウマチ(RA)は最も罹患率の高い自己免疫疾患のひとつであり,複数の関節における炎症と骨破壊を特徴とする.生物製剤の治療効果やゲノムワイド関連研究,RA 動物モデルを用いた研究から,RA の抑制におけるFoxp3+ Treg 細胞の重要性が示唆されている.一部のFoxp3+ T 細胞は炎症環境下においてFoxp3 発現を消失し,病原性Th17 細胞(exFoxp3Th17 細胞)へと分化転換して,マウスの自己免疫性関節炎を増悪化する.一方で,安定した抑制機能をもつFoxp3+ Treg 細胞の亜集団の同定は今後の課題である.また,RA の原因となる自己抗原の一端が明らかになりつつあり,Foxp3 の発現誘導およびFoxp3 発現の安定化を通して,抗原特異的制御性T 細胞(Treg)を創成することが将来的に可能となるかもしれない.これらのアプローチは,Treg 細胞の挙動の理解に基づくRA の新しい治療戦略の確立につながる.本稿では,RA におけるTreg 細胞研究の現状と展望について概説したい.
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