体外設置型から植込型VADへ“bridge to bridge”―DuraHeart を中心に

2011 
今春よりわが国においても,ようやく2 種類の定常流式植込型左室補助人工心臓(LVAD)の保険使用が可能となった.移植臓器ドナーの不足により平均移植待機期間が2 年を超えているわが国において,これらの優れたデバイスはとくに必要性・有用性が高いものと思われる.当院では,これまで8 例の体外設置型Nipro VAD症例において定常流式植込型のDuraHeart® への入れ替え手術を行った.Nipro VAD とDuraHeart は流入管・流出管ともに同サイズであるため,入れ替え手術時には心尖カフと送血グラフトがNipro VAD のものをそのまま使用でき,比較的低侵襲での手術が可能であった.Nipro VAD 刺入部に局所的感染を認めていた3 例において後にDuraHeart のポケット感染を発症し,うち1 例を敗血症で失った.Nipro VAD の感染を認める症例では,適応を慎重に検討すべきであると考えられた.入れ替え手術後,全例が自宅への退院が可能となり(1例は退院準備中),うち1 例は心移植に到達した.
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