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Effects of Noise on Sleep

1989 
騒音レベルと睡眠パラメータの量-影響関係を評価・検討した。曝露音は40, 50, 60dB(A)の定常ピンクノイズ終夜曝露および非曝露(対照夜)で,それぞれ4~5夜(対照は10夜)測定した。指標とした睡眠パラメータは,睡眠深度のステージW (waking), 1, 2, 3,4, REM(レム睡眠),MT(運動時間)の出現率,睡眠ステージを数量化して求めた平均睡眠深度,睡眠深度の時間に対する回帰式の勾配とy切片,入眠潜時,一時間当りの睡眠段階移行回数および主観的睡眠感である。各睡眠パラメータの抽出には,我々が新たに開発したマイクロコンピュータによる睡眠ポリグラフィー分析システムを用いた。その結果,60dB(A)曝露時のステージ2期出現率は,対照夜,40および50dB(A)に比べて有意に高く,60d(A)曝露時のステージREM期出現率は,対照夜および40dB(A)に比べて有意に低く,60dB(A)曝露時の平均睡眠深度は対照夜および40dB(A)に比べて有意に大きかった。また,アンケートによる主観的睡眠感は60dB(A)で妨害されなかった。なお,対照夜のステージ3期出現率は40および50dB(A)に比べて有意に小さかった。さらに,40, 50および60dB(A)の3レベルの各睡眠指標を比較すると,騒音レベルが上昇するに従って2期を除く各ステージ出現率・回帰式の勾配,入眠潜時および睡眠段階移行回数は減少し,ステージ2,回帰式のy切片,平均睡眠深度は増加した。定常騒音レベルの上昇に従って入眠が促進され得ることが再確認されたことになる。なお,騒音レベルの上昇と共に平均睡眠深度も増大しているが,ステージ3およびREM期の減少は騒音曝露の睡眠への悪影響であり,必ずしも定常音曝露でより良質の睡眠が確保されたということではない。
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