Stance duration variability in patients with osteoarthritis of the hip

2006 
健常者の歩行リズムはわずかに変動しており,高齢者や中枢神経系に異常のある疾患患者では,変動が大きくなることが報告されている.しかし,運動器疾患ではこのような検討はなされていない.本研究では片側性の変形性股関節症(hip OA)患者における立脚期時間の変動係数(coefficient of variance, CV)を測定・評価し,臨床指標との関係を検討した.その結果,健常者との比較では健側の変動に有意な差は認められなかったが(健側CV 2.7±1.9 vs 健常CV 2.8±1.8, p=0.836),患側の変動は健側より有意に大きかった(患側CV 3.3±1.7, p=0.028).また患側のCVは歩容異常の指標となる体幹動揺と有意な負の相関関係にあり(r=-0.371, p=0.001),歩容の悪化に伴い変動も減少することが示唆された.このことから,hip OA患者は罹患部位の代償を行うために歩行動作をパターン化し,一定にすることで,動作の困難さを軽減しているのではないかと考えられた.
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