切除不能両葉多発肝転移に対し化学療法併施Two-Stage Hepatectomy にて切除し得た1 例
2010
症例は60 歳,男性。他院にてS 状結腸癌に対しS 状結腸切除術施行後に両葉多発肝転移を認め,切除不能と判断されて当院紹介となった。切除後予測残肝容量不足のため,downstage を目的に化学療法(mFOLFOX6+bevacizumab)を行い,標的病変はPR となった。しかしながら切除予定術式からは予測残肝容量不足となるため,一期的肝切除は困難と判断し,two-stage hepatectomy を考慮した。最終抗癌剤投与4 週間後に初回手術として,肝左葉4 か所の部分切除術と術中門脈右枝塞栓術を施行した。初回手術から5 週間後,右肝切除術を施行し全病変を切除した。術後合併症なく,第17 病日に退院となった。切除不能両葉多発肝転移例に対して,新規抗癌剤・分子標的治療剤併用療法や門脈枝塞栓術を併施したtwo-stage hepatectomy により切除適応の拡大が可能となり,これらを用いることは大腸癌肝転移患者の予後に大いに寄与し得ると考えられた。
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