Extreme decrease of serum total cholesterol and other lipid levels in elderly inpatients

1998 
長期入院の老年患者112例 (男性55例, 女性57例) を対象とした. この内12例 (男5例, 女7例), 82.7±7.4歳 (M±SD) について食事全量摂取の時期 (I期), 経管栄養の時期 (II期) と絶食で輸液療法の時期 (III期) に分けて, 血清脂質の変動を観察した. 残りの100例 (男女各50例) について, 平均4~5カ月の経過で, 血清脂質の変動を観察した. 血清コレステロールのみが減少 (I群), 血清コレステロールとHDLコレステロールの減少 (II群), 血清コレステロールと中性脂肪の減少 (III群), これら3つの血清脂質の減少 (IV群) とこれら脂質の不変 (不変群) に分けた. 脂質の減少は前値に対して20%以上の減少の場合とした. 対象症例は平均80~88歳で, body mass index は14.7~18.4kg/m2と低下していた.12例の経過で, エネルギー, 蛋白, 糖質, 脂質とコレステロールなどの摂取量はI期>II期, 或はI期>III期で, III期で最小の傾向であった. この時, 血清コレステロールとLDLコレステロールはI期>II期>III期であり, HDLコレステロール, 中性脂肪と血清総蛋白 (TP) はI期>III期であった.群別の比較ではTPはII, III, IV群で有意に減少し, 平均5.6~5.7g/dlの低蛋白血症となった. 血清TPとコレステロールとの間にはr=0.525の有意の正相関が (p<0.01), 食事エネルギー摂取量と血清コレステロールとの間にもr=0.554の有意の正相関がみられた (p<0.001). エネルギー摂取量はIV群で有意に減少し, 上記の3血清脂質が減少していた. BUN, 血清クレアチニン, GOTとGPTは平均的に増加せるも有意の変化でなかった. 以上, すでに低栄養状態にある老年入院患者で, 摂食量減少によるエネルギー摂取低下が, 血清コレステロールやTPの減少を生じ, 最小のエネルギー摂取群であるIV群で3血清脂質の減少がみられた.
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