dl-α-Tocopherol 5-n-butyl-2-pridinecarboxylate (TF-80)の抗高血圧作用

1986 
dl-α-tocopherol 5-n-butyl-2-pyridinecarboxylate(TF-80)の正常血圧動物及び実験的高血圧モデルの血圧に及ぼす影響について検討した.TF-80(10,50および100mg/kg,p.o.)はWistarラットの血圧に何ら影響を示さず,自然発症高血圧ラット(SHR)およびDOCA-salt高血圧ラットの血圧を50mg/kg,p.o.以上の単回投与で著明に下降した.しかし,この時心拍数には影響を与えなかった.このTF-80の最大降圧率は等モルの fusaric acid(FA) と同程度であったが,降圧パターンは異なり,持続性においてFAより優れていた.また,TF-80は低用量(1~100mg/kg,p.o.)の連続投与により,SHRおよび DOCA-salt高血圧ラットの高血圧発症を著明に遅延させた.この作用はFA(5mg/kg,p.o.)連続投与では見られなかった.TF-80はSHRにおいて,norepinephrine(NE),Prostag1andin F2α(PGF2α),angiotensin II(Ang II)との拮抗作用及び血漿レニン活性阻害作用はなく,更にはSHRおよびWistarラットでの利尿作用や尿中電解質(Na+,K+,Cl-)排泄促進作用も認められなかった.以上,TF-80の降圧作用機序は明らかではないが,FAとは異なった抗高血圧作用を発現する可能性が示唆された.
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