In Vitro Studies on the Function of the Concentrate in Methemoglobin Formation after Putting Nitrate into the Rumen

1974 
乾草を採食している反すう動物に少量の大麦または配合飼料などの濃厚飼料を添加して給与すると,硝酸塩投与後,第一胃内で亜硝酸の蓄積が増し,血液中のメトヘモグロビン含量が多くなるが,濃厚飼料の添加量がさらに多くなると,逆にこれらの成分は著しく少なくなる.この現象の機序を究明するため,濃厚飼料給与の影響を1つは第一胃内で硝酸還元に寄与する微生物にエネルギー源を供給する要因,もう1つは第一胃内容液のpHを変化させることによって硝酸還元の様相を変える要因とに分けて,in vitroで検討した.まず,硝酸塩や亜硝酸塩を添加した第一胃内容液を培養する際,エネルギー源としてでんぷんを添加すると,硝酸の消失は促進されたが亜硝酸の消失はでんぷんの添加,無添加にかかわらず同程度盛んであった.そのため,第一胃内容液の培養液中ではでんぷんが添加された区で,培養1,2時間後に亜硝酸蓄積が比較的多かった.つぎに培養開始時にpHを5.0から7.5の範囲で変化させて培養したところ,硝酸の消失はpH 7.0でもっとも多く,pHが低くなるにつれて少なくなり,とくにpH 5.5,5.0では著しく少なかった.亜硝酸の消失は培養20分後にはpHが5.0から7.5へと高くなるにつれて多かったが,40分後にはpH 5.0のとき30%と少なかった以外は,pH 5.5から7.5の範囲内では93~98%と著しく多かった.そのため亜硝酸蓄積はpH 6.0~7.0のときに多く,pH 5.5以下では著しく少なかった.以上の結果から,少量の濃厚飼料が添加された場合は第一胃内容液のpHはあまり低くならずに,エネルギー源が供給されるので,第一胃内に亜硝酸が多く蓄積するが,濃厚飼料が多給されると,エネルギー源供給の影響よりも,pHが著しく低下するために,第一胃内での亜硝酸蓄積を少なくさせ,さらにこれが直ちに血液中のメトヘモグロビン形成に影響したものと考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []