【免疫・代謝・血液疾患】 AAV ベクターによる血友病遺伝子治療の現状と展望―臨床試験における成功から実用化に向けた取組みへ

2018 
血友病は,凝固因子の欠乏により関節内や筋肉内などに出血症状を繰り返す先天性血液凝固異常症であり,凝固第Ⅷ因子または第Ⅸ因子の欠損・活性低下による血友病A と血友病B に分類される.現在の治療の基本は,凝固因子製剤を用いた補充療法であるが,生涯にわたって凝固因子製剤の投与が必要であることから,さまざまな問題が存在している.このため,一度の治療で長期間にわたって効果が持続する遺伝子治療に期待が寄せられている.近年になって,肝を標的としてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いる血友病遺伝子治療の成功例が複数報告されており,先行している血友病B に加えて最近では血友病A に関しても実用化に向けた機運が高まっている.しかしその実現に際しては多くの課題が残されており,解決に向けた取組みが必要である.
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