Nonsuppressed ion chromatography of cyanide ion using the reaction with polysulfide.
1988
微量のシアン化物イオンをノンサプレッサー型イオンクロマトグラフィーにより声感度に定量する方法を開発した。すなわち, シアン化物イオンを多硫化物でチオシアン酸イオンとしたのち, 電気伝導農 (CD) 検出器および紫外分光光度計 (UV 検出器) を用いたイオンクロマトグラフにより間接的にシアン化物イオンを定量する方法である。UV 検出器ではシアン化物イオン濃度が 0.05~2.5ppm, CD 検出器では 25~2.5ppm の範囲で検量線は直線 (相関係数 0.9998 以上) となり, 検出限界 (S/N=2) はそれぞれ O.01ppm, 0.1ppm であった。分析用試料としてはシアン化物イオンに対して, 多硫化物溶液 (4倍当量以上の多硫化物型硫黄を含む) を添加して, 90℃ で 20 分間反応させたものが適当であった。ニッケルイオン, 鉄(III)イオン, 銀イオン, 鉛イオン, 亜鉛イオン, 水銀(II)イオンなどが1倍モル共存しても 93% 以上の回収率で定量でき, 陰イオンの影響はほとんど認められなかった。本法はシアン化物イオンを直接定量する方法にくらべて, 高感度で, 共存イオンの影響が少なく, 簡単に数十 ppb のシアン化物イオンが定量でぎるという特徴がある。
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