Pembrolizumab 療法でCR が得られた進行再発大腸癌の1 例

2020 
高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability‒high: MSI‒High)を示すすべての固形癌に対してpembrolizumab の有効性が示され,既存の化学療法が奏効しない症例に対しても治療効果が期待できる可能性がある。今回,pembrolizumab 療法でcomplete response(CR)が得られたMSI‒High 再発大腸癌の1 例を報告する。症例は69 歳,男性。S 状結腸癌に対し他院にてS 状結腸切除術(D3 郭清),膀胱部分切除術を施行した。病理組織学的検査でT4a,N0,M0,Stage Ⅱb と診断された。術後6 か月後に局所再発による腸閉塞のためハルトマン手術,小腸部分切除術が施行されたが,後腹膜に腫瘍が残存し切除不能であった。術後SOX 療法を施行したが,1 コース目にGrade 3 の下痢のため中止となった。この間に施行したMSI 検査においてMSI‒High と診断された。二次化学療法としてpembrolizumab での化学療法を導入した。2 コース終了後(6 週後)のCT 検査において腫瘍は長径30%以上縮小,4 コース終了後(12 週後)のCT 検査においてもさらに縮小を認めpartial response(PR)と判定した。6 コース後には腫瘍は完全に消失し,8 コース以後も同様に腫瘍消失を認めたためCR と判定した。CR 判定後も約7 か月CR を維持している。
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