A Clinicopathologic Study of Outpatients Dying at a Critical Care Medical Center

2002 
当院救命救急センター受診患者を対象にして,外来死亡症例の剖検診断名を調査し,心臓性突然死について臨床病理学的に検討した。1992年1月から1999年12月末日までの8年間に当院救命救急センター外来で死亡した1437例のうち病理解剖を行った108例の剖検診断名は,心疾患に分類されたものが69例で64%を占めており,そのうち65例が心臓性突然死であった。さらに心臓性突然死の内訳をみると,急性心筋梗塞が18例,拡張型心筋症が2例,陳旧心内膜下梗塞が1例,病理学的異常所見なし4例,そしてその他の心臓性突然死が40例であった。この40例は組織学的には,(1)心筋が正常心筋に比較してわずかに好酸性に染色される(好酸性変化)。(2)ミオグロビン染色を施すと好酸性変化を示す心筋はミオグロビンの脱出を示す。(3)マッソントリクロム染色では,好酸性変化を示す心筋は正常心筋に比較して赤く染色され,横紋の幅はより狭く過収縮の像を示す。(4)この好酸性変化の所見は左右両心室にびまん性にみられる。(5)冠状動脈にほとんど変化がない場合がある,などの特徴があり,臨床的には,(1)男性に多く(男:女=4:1), (2)急性心筋梗塞に比較して若年齢者に多く(平均年齢58歳,急性心筋梗塞では68歳),(3)発症から死亡までの時間は,30分以内が28/40例,30分から24時間が12/40例であった。このように急性心筋梗塞とは異なる臨床病理形態を示す一群の病態を“超急性心筋好酸性変化(superacute myocardial eosinophilic change)”と呼称したい。
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