Effect of Mg2+ Addition on the Property of Penicillin Production in an Immobilized Cell Culture System Using Urethane Foams as Carrier.

1991 
著者らは発泡体を担体としたペニシリン生産カビの付着培養を試み, 発泡体を添加しない従来法と比較して物質移動の改善によりペニシリン収量が向上することを明らかにしてきた.また, この培養方法を用いた培養システムにおいては, 発泡体に付着した菌体を繰り返し利用する連続培養法あるいは反復回分培養法によってペニシリンを生産できることを示した.発泡体を担体とするペニシリン生産において, ラクトースを主炭素源とし, 直接胞子植菌法で回分培養を行い, 回分培養の途中からグルコースを炭素源として供給することにより連続培養操作を開始する場合には, スタートアップ時のラクトースの残存濃度が低いほど定常状態におけるペニシリン濃度が高くなる傾向が見られた.しかし, ラクトース残存濃度が低くなるとペニシリンの生産活性が急激に低下した.また, スタートアップする時点のペニシリンの生産活性が低いほど定常状態に到るまでの時間が長くなり, いったんペニシリンの生産活性が低下した後にスタートアップした場合には, 生産活性が最大の時期にスタートアップした場合と比較して, 定常状態に到るまでの時間が約100h程度長くなることが明らかになった.したがって回分培養の後期, すなわち残存ラクトース濃度が低くなる時期において, ペニシリンの生産活性を高く維持することができれば, 高いペニシリン濃度の定常状態に短時間で到達することが可能になると考えられる.このような観点から種々に検討した結果, 発泡体を付着担体とした固定化培養系では, ラクトース濃度がほぼ0となる時期においてもペニシリンの生産活性を高く維持するためには, 培地中へのMg2+の添加が効果的であることを見いだしたので報告する.
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