A型大動脈弓離断症のバイパス術後, グラフトの相対的狭窄に対して行った axillo-iliac bypass 術の1例
2000
症例は12歳, 女児. 25生日に, A型大動脈弓離断症に対し径7mmの Dacron 人工血管を用いた上行大動脈-胸部下行大動脈バイパス術を行い, 同時にPDA結紮術, 肺動脈絞扼術も施行. さらに1歳8カ月時にVSD閉鎖術を施行した. 10歳ごろより運動時などに頭痛, めまいが出現するようになり, 12歳時に精査目的で入院となった. 入院時の上肢血圧は147/70mmHg, 上下肢血圧較差は60mmHgで, 血管造影からバイパス術に用いたグラフトの成長に伴う相対的狭窄と診断し1998年3月10日, intrapleural, preperitoneal route にて右側 axillo-iliac bypass 術を施行した. 術後の経過は順調で, 術後6カ月時の上肢血圧は108/63mmHg, 上下肢血圧較差は18mmHgにまで減少し, 自覚症状も消失した. 本症例のような大動脈弓離断症バイパス術後遠隔期に生じる上下肢の血圧較差を減少させる目的で, 同 route を用いた axillo-iliac bypass による血行再建術は安全でかつ有用な手段であると考えられた.
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