膵・胆管合流異常に合併した胆嚢癌・乳癌重複癌の1例

2016 
患者は74 歳,女性。当科初診の2 か月前に胆嚢炎を発症し他院へ入院した際に,膵・胆管合流異常,胆嚢腫瘍および右乳癌を指摘された。重複病変に対する一期的な手術目的に当科へ紹介となり,胆管非拡張型合流異常に合併した胆嚢癌・右乳癌重複癌と診断し,2015 年10 月13 日に肝床肝外胆管切除・肝管空腸吻合および右乳房切断術を施行した。術後に腹腔内膿瘍のドレナージを要したが,術後43 日目に軽快退院した。病理組織診断では,胆嚢は中分化型管状腺癌,pT2,pN0でfStageⅡ,乳腺はscirrhous carcinoma,pT2,pN0でfStageⅡa との結果であった。胆嚢癌の合併が多いとされる胆管非拡張型合流異常に対する治療法として,胆嚢摘出に加えて予防的な肝外胆管切除が必要であるのか,現時点では統一された見解はない。また,胆嚢癌と乳癌との重複癌は比較的まれであり,文献的考察を加えて報告する。
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