介護から、宇宙へ ~オフセット多関節ロボットの展望~

2000 
オフセット多関節ロボットの技術は、もともとSTOL実験機「飛鳥」開発における風洞試験用技術として開発された「偏心流体継手(特許)」を他分野(宇宙・航空、民生等)へ応用することにより生まれました。このロボットの特徴は、中心軸線に対して一定のオフセット角を持たせて回転(円錐状運動)できるようにしたオフセット関節と、中心軸線上で回転する回転関節の組み合わせにより、回転機構のみで曲げの動作ができ、しかも大きな保持力が得られることにあります(図)。また、内部には大きな貫通孔を有し、駆動に必要な電動モータ、角度エンコーダ等の配線、配管を収納できるために、外側は大変シンプルな形状になっています。特に、大きな回転動作で微妙な曲げ角度調整が可能となり、ロボットの動きをより人間の腕の動きに近づけることができます(写真)。写真 ロボットの動き  今年度はこの技術をさらに発展させ、安全に人を抱きかかえられるような介護用ロボットアームなどの応用を目指し、人間共存型(人に優しい)ロボットの要素技術研究を行います。また、将来は宇宙空間での作業用ロボットなどのへの応用も視野に入れています。なお、本研究は、(財)科学技術振興事業団が実施している独創的研究成果 育成事業の課題に採択され、コーナン電子(株)が当研究所の研究成果を導入し、試作開発を行うことになっています。
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